フリーゲーム『CardWirth』の自作シナリオを公開しています
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確か あれはリプレイ描きはじめの頃でしたか、
6人もキャラを動かせる気が全然しない、というか無理だろ・・・
大長編ドラえもんすら、ドラえもん、のび太、しずちゃん、ジャイアン、スネ夫の
5人でフルメンバーなのに6人とか何考えてんだ。
名前すら覚えられんわ・・・
とか思って4人にしたのが きっかけですが、やってみると案外悪くないです。というかむしろ良いです。
金まわりはなかなか良いので、スキルが早いうちから充実して一人ひとりの役割が定まるのも早い。
反面打たれ弱くて、気を抜くと各下相手にも一瞬で崩されかねない、ほどよい緊張感。
ありがちな人数で押し勝つような大味さはなく、非常に輪郭のはっきりした戦闘。
6人もキャラメイキングするのもいい加減しんどくなってきたとお悩みのあなた。
マンネリ打破のきっかけにぜひ、4人パーティをお試しください!!
「悪いな、このシナリオ6人専用なんだ」
あまり更新ないとあれなので最近読んだ本の話でも・・・
江戸後期の日露外交史はじまりの辺りにちょっと興味があって色々読んでるんですが、
ベタだけどやっぱり異文明、異なる価値観の出会いと邂逅というのは感動的ですね。
特にこの時代の日露両国はお互いに「こいつらめっちゃ野蛮や」とか思ってるわけですが、
その野蛮のなかに思いがけず知性を発見した時の感動が当時の人の記録に鮮やかに残っていて、
うーん、これは凄くいいぞ、楽しいなぁと。
リザードマンの中に知性を見出す冒険者とかそんなような形に変えてカードワースで
自分も似たようなことをやってみたいなーと思ったり思わなかったり。
まぁ自分の作風とはだいぶかけ離れてはいるんですけどね。
あとまぁ、これはどうでもいいことですが、
カムチャッカ → かむさすか
ゴローニン少佐 → ほぼうりんさん
フヴォストフ事件 → ほうしとう乱坊の所業
この辺の言語感覚のズレが何か無駄にかわいくてグッときます。
「ろけっとらんちゃ」に通じるものがあるというか…
もやし 「なんど退治してもゴブリンが戻ってるくる洞窟、ねぇ」
筋肉 「究明はそっちの学者先生に任せて、俺たちは退治役ってわけだな」
依頼人 「そういうことだ」
妖魔の求心力をもつ何かがあるらしい洞窟・・・
多少嫌な予感のするパターンだが、幸いにして原因究明は仕事のうちには入っていない。
いざというときはトンズラ決めても別に文句の出る筋合いではないだろう。
冒険者たちはそのように楽天的に考え、依頼を受けることにした。
※
もやし 「クソッ、挟み撃ちだと!?」
洞窟の妖魔の抵抗は、想像以上に激烈なものだった。
動揺につけこまれて陣形を組む間もなく乱戦になり、
振り下ろされる棍棒に何度か目の前が昏くなりながらも
最終的には体力差で紙一重の勝利をモノにしたのだった。
もやし 「くそっ!この野郎!この野郎っ!」
筋肉 「そいつもう死んでるぜ」
※
あらかたの妖魔を始末し終えてようやく周囲を落ち着いて観察する余裕を
取り戻した一行はさらに洞窟の深部へと足を踏み入れた。
老いぼれ 「この先、床がないぞ」
洞窟の最奥、あきれるほどの巨大な縦穴と
ゴブリンの祭器らしきものが侵入者たちを迎えた。
筋肉 「おおー・・・すげぇでかい穴だな。底が見えねぇ」
依頼人 「こっちには石板に石人形!うはっ、これは大した資料だ!」
はっきりとした原因は究明できなかったものの、
貴重な妖魔の資料を無傷で手に入れた依頼者は大いに満足を示した。
最終的に洞窟は発破で完全に土に埋められ、物理的威力をもって
この洞窟にまつわる懸念は払拭されたのだった。
※
青空に殷々と轟く爆発音が、
冒険者たちの耳にやけに壮快に響いた。
仕事は終わり、その瞬間から真相究明は冒険者たちの雑談の種に成り下がる。
もやし 「結局なんだったんだろうな。妖魔が集まる原因とやらは」
優等生 「さぁ、学者先生が持ち帰った資料を研究して考えるんじゃないですか」
筋肉 「・・・・・」
優等生 「筋肉、なにか思いついたことでも?」
筋肉 「べつに」
筋肉は、ゴブリンどもは単にあの場所が気に入ってたんじゃないのか、と思ったが
それを言っても馬鹿にされるだけなので黙っていることにした。
※
今回のシナリオはFulbrightさんの「思いすがるものども」です。
いやーもうちょっとで全滅するとこでした。さすがに4人は安定感なくてやばいですね。
シナリオは想像以上に完成度が高くてびっくりしました。短編ダンジョンものとしては
ほとんど理想的といっていいくらいだと思います。
無駄がなくてセンスの良さが際立つ導入部、音楽の使い方もバッチリ、洞窟探索の雰囲気も
ぬかりなく、謎部分も押しつけがましくならない程度に抑えて、後に小さな余韻を残す感じ。
いつかこういうシナリオが作れるようになりたい、というのが正直な実感ですね~
シナリオ名 帝国の亡霊
対象レベル 3~5
シナリオ形式 短編シナリオ
所要時間 30分程度
対応エンジン NEXT
プレイ要件 3人以上のPC
中レベル向けシナリオです。
思いつきの1発ネタなので広い心でお楽しみください。
http://ux.getuploader.com/soumakazue/download/11/%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E3%81%AE%E4%BA%A1%E9%9C%8A1.0.zip
朝鮮に古画が残っている。
いつの時代の中国の都なのか、ともかく宮殿の描写がなされており、そこで中国皇帝が外蕃の使臣を謁見している。
この絵の筆者の国である朝鮮からの使臣もむろんうやうやしく座を占めている。外蕃の使臣たちはことごとく儒礼にかない、
衣冠を正しくして所定の座にいるのだが、一人だけ素裸のフンドシ一本で大あぐらをかいているのがいる。
それが倭だ、というのだが、私はこの話をソウルの学者から聞いたとき、腹が痛くなるほど笑った。
街道をゆく2 新羅の旅
もちろんご先祖が本当にフンドシ一本で中国の皇帝に会いに行ったというわけでは当然なくて
当時の儒教文明国の優等生からは我々はこう見えたという一種のデフォルメなんであるけども
この与太話の情景はえもいわれぬおかしみがあってたまらない。
かつての東アジアでは儒教の礼節を身に着けてこそ人間であるという文明尺度があったので
それにてらせば華夷秩序も儒礼のなんたるかも知らない倭人は確かに蛮族そのものであったろう。
ただ現代から振り返って中世を見ると蛮性をたっぷり残した人々の闊達さにこそ面白味を感じるし、
ときにインド、ときに中国、西洋と、外国の文明に憧れはするけれども骨の髄までそれに染まろうという
殊勝な気はさらさらなく、上っ面だけ借りては古着を脱ぎ捨てるようにして捨て去って恥じ入るところのない
堂々たる蛮族っぷりに一種の痛快を覚えるのである。
余談が過ぎた。(司馬遼太郎風)
カードワースもまた中世をモチーフとしているので、聖北教文明圏とその他の蛮族という構図は当然ある。
あまりその機会もないだろうが、もしこの両者に焦点を合わせたシナリオがあるとしたら、簡単にわかり合い
互いに理解し合うというような尋常の交流を見たいとは思わない。やはりそこは文明の何たるかも知らぬ
蛮族への徹底した軽蔑と憎悪で貫かれていて欲しいと思うし、もっと言えば人間扱いすら不要であると思う。
「城塞都市キーレ」で冒険者たちが蛮族英雄との戦闘に入る直前に刹那の魂の交感が描かれていたが、
それも互いに人間扱いしないというディスコミュニケーションのさなかだからこそ、
非常な光彩を放っていたように思うのだ。