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主計ブログ

フリーゲーム『CardWirth』の自作シナリオを公開しています

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英雄ってどんな奴?

カードワースのPCは、一応は「英雄候補生」ということですが
その目指すところの英雄って結局どういう存在なんだろうか・・・と
ふと思ったので徒然なるままに。


1.宮本武蔵タイプ
いわずと知れたASK公認レベル10。
個人戦闘のプロフェッショナル。クラフトマン技能も高い。

悲しいかな、武芸者という言葉が示すように刀技はしょせん歩卒の術と蔑まれ
当時ですら武芸で名を上げて世に出る、などというのは半ば夢物語であった。
ゆえにや、個人的な決闘以外にこれといった活躍もなく世を去る。諸行無常。



2.戦国武将タイプ
一国や軍団を率いる総大将。まさに乱世の英雄。
人心収攬と人格的魅力を駆使して部下を帷幕に従え兵を手足のように動かす。
群れでその性能を最大限に発揮する人間の正しく最上位階
 
なお土民から身をおこして天下人に立身した豊臣秀吉公は
その生涯で武芸者の類に一切興味を持たなかったとの由。
やはり戦場に武芸の達人の居場所はないのか・・・
 
 
 
 
3.土方歳三タイプ
前二者が素朴であく強く支配欲に忠実な英雄どもであるのと対照的に、
利害を超越して義理や己の内的な美意識に殉じるのをよしとする稀少な人種。
たいていは落ち目の権威に義理立てして諸共に滅んでゆく、
とても日本人好みのウエットな英雄像。

時代の流れに逆らって消えてゆく姿に敗北の美学がある、という堕落。
 堕落もまたよし。ただ単に負け犬に後世の人が何がしかを投影してる
だけという気もしないでもないが、そんなことは気にしない。
 
 
 
 
 
カードワースのPCどもが目指す英雄はどれに当たるのか
なーんてことを考えてみるのもまた一興ではないでしょうか。(てきとうな締め)
 
 



 

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愚者たちの報い


酒浸りで腐りきっていた4人のもとに
とある復讐の依頼が舞い込んだ。

中年 「奴等を叩きのめして、治安隊に引き渡して欲しいのです」

街のチンピラ集団に財布を奪われた上に辱めを受けたという中年男の恨み節。
何が琴線に触れたのか、4人はさして割がいいとも言えぬ依頼を受けると、
夕闇せまる市街へと向かった。



単調かつ地道な聞き込みの末、
4人はチンピラどもの溜り場となっている酒場を突き止めた。
下町の路地裏にある「エボラ」という奇妙な名の店だ。


老いぼれ 「なるほどいかにも愚連隊のいそうな場所だ」
優等生  「雰囲気よくないなぁ」
もやし  「所詮は素人。恐れるまでもない」
筋肉   「いくか」


4人が扉を開いて中に入ると、店内の喧騒が一時に止んだ。

チンピラ 「なんだ手前らは!」
筋肉   「うるせえ!くたばれ!」

もはやどちらがチンピラだかわからぬ短いやり取りの後、
果然、入り乱れての乱闘となった。テーブルが倒れ杯が割れる。

もやし  「ちょ、危ない!うわっ」

たかがチンピラゴロツキ相手とたかをくくっていたのが悪かったのか
我が身をかばおうともしない無軌道さに思わぬ苦戦を強いられた。


 

チンピラ 「死にやがれええええ!」
筋肉   「うおっ!!」

捨て身の一撃が筋肉の急所をとらえる。
が、皮鎧の厚みに阻まれて短剣は1/3ほど食い込ませて勢いを止めた。

筋肉   「痛ぇじゃねえか、この野郎!」

得物を失い無防備になったチンピラの顔面に
筋肉の拳がめり込んだ。



めちゃめちゃに破壊された「エボラ」店内の隅に
気絶したチンピラ数人が簀巻きになって転がされている。


筋肉   「くそっ、手こずらせてくれやがって」
もやし  「ひどい目にあったな」

4人は応急手当だけ済ませると、傷だらけの体で荒い息をついた。
狭い店内の乱戦だけあって無傷で済んだ者は少ない。


優等生  「でも、何だかすっきりしましたね」
老いぼれ 「まぁそうだな」


奇跡的に割れずに残った酒瓶を2、3本かっぱらうと
4人は治安隊詰め所に通報すべくすっかり暮れた街区をゆく。

火照った体に当たる冷たい夜風が身にしみた。

 

 


 

今回のシナリオはWIZさんの「愚者たちの報い」です。
街が舞台のシナリオは久々だったので新鮮でした。やたらめんどくさいイメージの
情報収集も、とてもテンポの良いストレスフリーな流れで凄くよかったです。

基本にどこまでも忠実な教科書的な作りで、プレイしてるとシティアドベンチャー
作ってみたいなぁという殊勝な気にさせてくれます。うーん、作りたい。

 

 

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ヒバリ村の救出劇


村人 「妖魔に攫われた幼子を救い出して欲しいのです」
筋肉 「いいだろう。居合わせたのも何かの縁だ」

依頼を二つ返事で引き受けた4人は、
村長の先導で月明かりに照らされた小道を行き
妖魔が住み着いているという廃坑の入り口に着いた。



もやし「・・・・?」

いかなるわけか、坑道のあちこちに転がる妖魔の死骸。
おおかた内輪もめだろうと、さして気にもとめず4人は
攫われた幼子の姿を求め 一路廃坑の奥へと進んで行った。


筋肉 「たった3匹か、くたばれ!」
妖魔 「ギョエーッ!」

食料庫に立てこもっていた数匹のゴブリンを囲んで叩き殺し
付近を捜索すると、大きな壷の中に攫われた幼子を発見した。
見たところ怪我もなく無事のようである。

もやし「もう心配ないぞ、村に帰ろう」
幼子 「はい」

気丈な娘の手を引き、廃坑の出口へ向かう。

だが、出口まであと数歩というところで、のそりと巨大な影が差しかかり
4人と1人の行く手を遮った。






優等生「・・・げえっ、トロール!」


巌のような巨人は殺気を漲らせ、
妖魔の血に濡れた棍棒を握り締めている。

その場に居た全員が瞬時に「とても勝てる相手ではない」と悟った。

もやし「・・・!!」

刹那の逡巡が生死を分ける。

次の瞬間、4人は身を翻して 脱兎の如くトロールの脇をすり抜けてゆく。
背後に悲鳴!ただひとりその場に取り残された幼子が恐怖に泣き喚く。
だが今や救助対象は トロールの注意を引きつけるデコイでしかない!
もやし達は決して振り向くことなくその場を逃れ去った。






あれからどこをどう走ったのか、4人は森を抜けた所でへたりこんだ。
背後に追いすがるトロールの姿はない。


優等生 「生き残りましたね」
もやし 「そうだな」


つい先ほどまで死地にいたせいだろうか。
なにげない田舎の風景の一々が輝いて見える。
同時にそれは胸中の疼きとなって未熟な冒険者を責め苛み続けた。






今回のシナリオは伊礼さんの「ヒバリ村の救出劇」です。
低レベルで遭遇する強敵もの・退治ものとしては前回の「優位なもの」と並び
現時点でひとつの到達点というべきシナリオだと思います。

個人的には、壷の中に生き残りのゴブリンを見つけてしまうシーンが最高でした。
いかに子連れで哀愁を漂わされても妖魔の命乞いに対しては「慈悲はない!」
というのがわが冒険者の流儀なのですが・・・

確実に目が合った後に壷の奥に頭を引っ込める、という生死の境で滑稽さを
演出されるとさすがに殺しづらいのが人情。窮地のゴブリンを見逃すかどうか
というのは定番のイベントですが、全体的に殺伐とした中でゴブリンのキャラの
利いたユーモアがいいアクセントになっていました。

言うのは簡単なんですけど、なかなかこうはやれないんですよね。












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優位なもの


4人組は「行方不明になった村人捜索の依頼」を受け
土臭い荷馬車に揺られ続けて6日目にして
ようやく依頼主の村に到着した。

もやし    「田舎だ」
優等生    「田舎ね」
老いぼれ  「田舎じゃな」
筋肉     「クソ田舎だ」

が、来てしまった以上手ぶらで帰るわけにもいかない。


案内人と共に森に出て、姿を消した5人を捜索すること半日。
4人組は地べたの一隅に巨大な足跡を見つけた。
・・・常識外れに、でかい。

ろくな経験も知識も備えぬ冒険者とは名ばかりの4人にも、
その足跡がオーガのものであると容易に推察がついた。

筋肉     「オーガとは相手が悪すぎるようだが」
もやし    「とにかく住処を突き止めよう」

足跡を追ってゆくことしばし。
4人はついに県境の峠に、住処と思しき洞窟を発見した。





 

(審議中・・・)

もやし    「俺達には先手を取れる優位がある」
優等生    「罠を仕掛けて始末しましょう」
老いぼれ  「それでも手に負えなければ逃げればいい」
筋肉     「2人やられた時点で逃げだ。後はどうなろうと知ったことか」


話はまとまった。
4人は村に舞い戻ると、一人暮らしの老婆を蹴転がして油壺を奪い取り、
息子を亡くした爺様からガラクタ同然の槍を押し付けられ、それら荷物と
薪の山を背にひっ担ぎ大汗をかいて、再び元の食人鬼の洞窟の前に立った。





オーガ   「グワーッ!」

4人が仕掛けた罠は面白いように効果を発揮した。

煙に燻されて洞窟の奥から姿を現した食人鬼は、火の点いた油壺を
まともに喰らって火達磨になり、しかし丸太のような腕を振り回して
容易に討ち手を寄せ付けず 大荒れに荒れて手がつけられない。

呆然と立ち尽くしていると、低いしゃがれ声がもやしを呼んだ。

老いぼれ 「その槍を貸せ」
もやし   「あ、ああ」

老いぼれは粗末な槍を手に取ると、瀕死のオーガの胸を踏み
エイとばかりに鋳物の穂先を口の中に突き込んだ。

オーガ   「グゲエーーーッ!!」

血飛沫と吐しゃ物が老いぼれを濡らし
耳を覆わんばかりの断末魔の声が県境の峠に響き渡った。



その後、4人は主なき後の洞窟を捜索したが、
ついに行方知れずの村人の姿を見出すことはかなわず
わずかに 9つの遺骨を見つけるに留まった。












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ゴブリンの洞窟


リューン郊外にある平凡亭。
親しみやすい名の酒場ながら、堅気の者は近寄ろうともしない。
ここは 冒険者を自称する半端者たちの吹き溜まりなのだ。

もやし   「ゴブリン退治か。楽勝だな」
優等生   「最弱の怪物ね」
老いぼれ 「小遣い稼ぎにはなるか」
筋肉    「・・・・」

ありふれたゴブリン退治の依頼を受けて、
チームを組んだばかりの冒険者4人組は
意気揚々と近郊の森へと向かったのだった。


ゴブリンの巣穴に潜った冒険者たちは、
その深部で妖魔の群れと相対した。

早々に先手を打って放たれた「眠りの雲」に襲われ、
4人組は抵抗することもできず、泥人形のように倒された。






ドカッ! バキッ! ゴッ! ドガッ!


筋肉    「・・・!?」

頭部に激しい衝撃をうけて、筋肉の意識が覚醒した。

馬乗りになった妖魔を跳ね除けて起き上がり、周りを見ると、
仲間は囲まれて棒で殴られ、既に半死半生のありさまだった。

筋肉    「おい、生きてるのか」
老いぼれ  「どうにかな」

返事をできたのは、老いぼれただ一人だった。


どうにか妖魔を始末した筋肉と老いぼれは
気絶した2人を見てため息をついた。

老いぼれ  「仕方ない。俺が優等生を担いでいこう」
筋肉    「となると、俺はこっちか…」


担ぎ上げたもやしの体はやけに重たく、
よほど 巣で拾った邪魔な杖 を捨てていこうかとも思ったが
結局、筋肉は 杖ももやしも捨てることなく宿へと帰還したのだった。



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