フリーゲーム『CardWirth』の自作シナリオを公開しています
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リューン郊外にある平凡亭。
親しみやすい名の酒場ながら、堅気の者は近寄ろうともしない。
ここは 冒険者を自称する半端者たちの吹き溜まりなのだ。
もやし 「ゴブリン退治か。楽勝だな」
優等生 「最弱の怪物ね」
老いぼれ 「小遣い稼ぎにはなるか」
筋肉 「・・・・」
ありふれたゴブリン退治の依頼を受けて、
チームを組んだばかりの冒険者4人組は
意気揚々と近郊の森へと向かったのだった。
新作シナリオがほぼ出来上がりました。
オープニングからエンディングまで一通り終わりましたので、
あとは細かい調整して、カードの名前を削って素材を軽量化して、readmeを書いて
著作権表記して・・・って、書いてみると結構な作業量が残ってるなぁ・・・
今日~明日中くらいにはテスト版が公開できると思いますので、どうぞよろしくお願いします。
(とかいいつつ年内に終わらなかったりして)
タイトルは「ドゥカーバンクの魔女」
内容は悪い魔女をやっつける冒険者の話
マルチエンディング形式
15~20分程度の中短編
推奨レベル3~10
内容は以上の通りです。
相変わらずの討伐物で、流石にそろそろもういいかなという気もしますが
割と一生懸命作りましたので、今回もお付き合い頂ければ幸いです。
低く、重く垂れこめた雲が空を覆いつくし、
ネオリューンの街に、今日も重金属酸性雨が陰鬱に降りしきる。
けばけばしいネオンに彩られた繁華街からはじき出されるようにして
防護マントを纏った若い男が 頼りない足取りで雑踏を抜け裏路地に入る。
彼の名はタケジ。冒険者クランに属する中でも最下層といっていいヨタモノだ。
ドンツクドンツクブンブンブーン!ドンツクドンツクブンブンブーン!
極度に治安の悪い裏路地「ハッパストリート」の並びにある狭い階段を降りて
地下フロアに一歩足を踏み入れると、ウーハーの利いた重低音サウンドに包まれる。
狭く汚らしい店内の至る所には、「ゴブリン重点」「ツケをためてはいけない」
「あたたかみ」といった欺瞞的スローガンの書かれたショドーが垂れ下がり、
チンピラじみた荒くれ男たちやサイバーパンクス、スゴイ級ハッカーらが生体
インプラントされた違法IRCチャットで無言の交歓をかわし、サツバツとした
アトモスフィアを醸し出していた。
タケジは防護マントをたたんで小脇にかかえ、うすぎたない荒くれ連中の間を
ぬってカウンターに向かう。すると、ノレンの奥から全身を半ばサイバネ化した
中年の禿男が姿を現し、黙って皿に盛られたバイオ揚げじゃがをつき出した。
このいかにも風采の上らぬ禿男こそ、この店の亭主にして
彼の所属する冒険者クランの世話人その人であった。
♯YADO@TAKEZI:ドーモ、オヤジ=サン。タケジです。何かいい話はありませんか。
タケジがIRCチャットでアイサツ発言をすると、
すぐに亭主の返事が蛍光グリーンの文字となって網膜ディスプレイに浮かぶ。
♯YADO@OYAZI:ドーモ、タケジ=サン。バイオ・オーク退治のクエストが1件更新されているはずです。確認重点。
♯YADO@TAKEZI:バイオ・オークですか。あれは臭いがとてもひどくて・・・
♯YADO@OYAZI:今月の達成目標に届かないとツケが5%増量です。いいですね?
♯YADO@TAKEZI:アイエエエ・・・
タケジは悲しげな息をつくと、
『なお本クエストにて生じたいかなる損害に対しても何ら保証する義務を負わないものとする云々』というお決まりめいた冒険者クラン規約に《同意》を示し、厄介なバイオ・オーク退治のクエスト業務を受諾したのであった・・・
つづきません。ご安心ください。
最近、「ニンジャスレイヤー」というサイバーパンク忍者活劇小説を読んだせいか
強いニンジャが出るシナリオを作りたいという衝動を抑えかねている今日この頃です。
いいですよね、ニンジャ。
「絶対強者たるニンジャに踏みにじられたモータルの無念と怒り」という忍殺の
主要テーマはカードワースの世界観のパーツに変換して再構成しようと思えば
案外できないこともない気もするんですが・・・
誰かやってはくれないもんでしょうか。