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主計ブログ

フリーゲーム『CardWirth』の自作シナリオを公開しています

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ワールドオブタンクスが面白い


Ward of tanks というのは東欧のどこかの国で制作されたウォーゲームで
 世界中の暇人がインターネットを介して集い、思い思いの戦車を駆っては
盛大に撃ちあい殺し合いをするというわかりやすいゲームだ。

「人さえ死ななければ世に戦争ほど面白いものはない」という穏やかな日常の中で忘れかけていた真理を思い起こさせてくれる逸品で、実際お勧めである。
 






各国の戦車の面つきを見てると固有の戦闘思想が窺えてなかなかに面白い。

まず戦車に必要な要素は、攻撃力・機動力・装甲の3つだ。
これは戦士に必要なものと言い換えてもいい。


日本の戦車はとにかく装甲が薄い。火砲も機動性も必要最小限だ。
それはつまりクソではないか、と思われる向きもあるかもしれないがさにあらず。砲の仰俯角は良好で使い勝手がよろしい。これは戦車の性能によらず地形を利用し、戦況を読んで常に先回りして動いて勝つべしという クレバーかつシビアな戦闘思想を意味している。たぶん。


ドイツの戦車はやはり砲精度の高さが際立っている。
戦車のルックスは兵器として必要以上の完成度を備えているように思え、極めて高精度な工業品や中世の華美な甲冑に似た「高級品」の印象を強く受ける。
 高性能ではあるものの、全体的に高級品ゆえの脆弱さと無縁ではない。


対して、アメリカとソ連はどうか。この二国は違うようでどこか似ている。
火力・装甲・機動性をそつなく備えながらも必要なものがあればいいでしょうとでも言いたげな、味もそっけもない 工業品ともまた違う「量産品」の趣。
ドイツ車にどことなく漂う情緒と対極にあるこだわりのなさと、それゆえの骨太さ。
いかにも戦争に勝つための戦車だ。


一応カードワースブログなので、無理矢理ファンタジーな世界観にあてはめてみると、アメリカ・ソ連は兵隊や傭兵稼業、ドイツは少数精鋭騎士団、日本は軽装と小知恵が身上の冒険者といったところかなと思ったりするのである。


貧乏ゆえ優秀な装備に頼ることもできず、また考えなしに動くとすぐ死んだり全滅するところなどいかにも・・・

 

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英雄ってどんな奴?

カードワースのPCは、一応は「英雄候補生」ということですが
その目指すところの英雄って結局どういう存在なんだろうか・・・と
ふと思ったので徒然なるままに。


1.宮本武蔵タイプ
いわずと知れたASK公認レベル10。
個人戦闘のプロフェッショナル。クラフトマン技能も高い。

悲しいかな、武芸者という言葉が示すように刀技はしょせん歩卒の術と蔑まれ
当時ですら武芸で名を上げて世に出る、などというのは半ば夢物語であった。
ゆえにや、個人的な決闘以外にこれといった活躍もなく世を去る。諸行無常。



2.戦国武将タイプ
一国や軍団を率いる総大将。まさに乱世の英雄。
人心収攬と人格的魅力を駆使して部下を帷幕に従え兵を手足のように動かす。
群れでその性能を最大限に発揮する人間の正しく最上位階
 
なお土民から身をおこして天下人に立身した豊臣秀吉公は
その生涯で武芸者の類に一切興味を持たなかったとの由。
やはり戦場に武芸の達人の居場所はないのか・・・
 
 
 
 
3.土方歳三タイプ
前二者が素朴であく強く支配欲に忠実な英雄どもであるのと対照的に、
利害を超越して義理や己の内的な美意識に殉じるのをよしとする稀少な人種。
たいていは落ち目の権威に義理立てして諸共に滅んでゆく、
とても日本人好みのウエットな英雄像。

時代の流れに逆らって消えてゆく姿に敗北の美学がある、という堕落。
 堕落もまたよし。ただ単に負け犬に後世の人が何がしかを投影してる
だけという気もしないでもないが、そんなことは気にしない。
 
 
 
 
 
カードワースのPCどもが目指す英雄はどれに当たるのか
なーんてことを考えてみるのもまた一興ではないでしょうか。(てきとうな締め)
 
 



 

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ようやく

新作シナリオがほぼ出来上がりました。
オープニングからエンディングまで一通り終わりましたので、
あとは細かい調整して、カードの名前を削って素材を軽量化して、readmeを書いて
著作権表記して・・・って、書いてみると結構な作業量が残ってるなぁ・・・
今日~明日中くらいにはテスト版が公開できると思いますので、どうぞよろしくお願いします。
(とかいいつつ年内に終わらなかったりして)

タイトルは「ドゥカーバンクの魔女」
内容は悪い魔女をやっつける冒険者の話
マルチエンディング形式
15~20分程度の中短編
推奨レベル3~10

内容は以上の通りです。
相変わらずの討伐物で、流石にそろそろもういいかなという気もしますが
割と一生懸命作りましたので、今回もお付き合い頂ければ幸いです。

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キルゾーン・バイオ・オークス


低く、重く垂れこめた雲が空を覆いつくし、
ネオリューンの街に、今日も重金属酸性雨が陰鬱に降りしきる。

けばけばしいネオンに彩られた繁華街からはじき出されるようにして
防護マントを纏った若い男が 頼りない足取りで雑踏を抜け裏路地に入る。
彼の名はタケジ。冒険者クランに属する中でも最下層といっていいヨタモノだ。
 
ドンツクドンツクブンブンブーン!ドンツクドンツクブンブンブーン!
 
極度に治安の悪い裏路地「ハッパストリート」の並びにある狭い階段を降りて
地下フロアに一歩足を踏み入れると、ウーハーの利いた重低音サウンドに包まれる。
 
狭く汚らしい店内の至る所には、「ゴブリン重点」「ツケをためてはいけない」
「あたたかみ」といった欺瞞的スローガンの書かれたショドーが垂れ下がり、
チンピラじみた荒くれ男たちやサイバーパンクス、スゴイ級ハッカーらが生体
インプラントされた違法IRCチャットで無言の交歓をかわし、サツバツとした
アトモスフィアを醸し出していた。

タケジは防護マントをたたんで小脇にかかえ、うすぎたない荒くれ連中の間を
ぬってカウンターに向かう。すると、ノレンの奥から全身を半ばサイバネ化した
中年の禿男が姿を現し、黙って皿に盛られたバイオ揚げじゃがをつき出した。

このいかにも風采の上らぬ禿男こそ、この店の亭主にして
彼の所属する冒険者クランの世話人その人であった。
 
♯YADO@TAKEZI:ドーモ、オヤジ=サン。タケジです。何かいい話はありませんか。
 
タケジがIRCチャットでアイサツ発言をすると、
すぐに亭主の返事が蛍光グリーンの文字となって網膜ディスプレイに浮かぶ。 
 
♯YADO@OYAZI:ドーモ、タケジ=サン。バイオ・オーク退治のクエストが1件更新されているはずです。確認重点。
 
♯YADO@TAKEZI:バイオ・オークですか。あれは臭いがとてもひどくて・・・
 
♯YADO@OYAZI:今月の達成目標に届かないとツケが5%増量です。いいですね?
 
♯YADO@TAKEZI:アイエエエ・・・
 
タケジは悲しげな息をつくと、
『なお本クエストにて生じたいかなる損害に対しても何ら保証する義務を負わないものとする云々』というお決まりめいた冒険者クラン規約に《同意》を示し、厄介なバイオ・オーク退治のクエスト業務を受諾したのであった・・・
 







つづきません。ご安心ください。

最近、「ニンジャスレイヤー」というサイバーパンク忍者活劇小説を読んだせいか
強いニンジャが出るシナリオを作りたいという衝動を抑えかねている今日この頃です。
いいですよね、ニンジャ。

「絶対強者たるニンジャに踏みにじられたモータルの無念と怒り」という忍殺の
主要テーマはカードワースの世界観のパーツに変換して再構成しようと思えば
案外できないこともない気もするんですが・・・

誰かやってはくれないもんでしょうか。

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カードワースプレイ日記 エピローグ





永遠亭のけだるい昼下がり。
カウンターにいる亭主は黙って皿を磨き
女給の娘はサボって鼻歌なぞ歌っている。

そう多くはないが昼間から酒を呷る冒険者崩れや
カード遊びに興じる連中もたむろしている。

宿の見慣れた日常の光景だ。

 

ただ、いつも決まってそこにいた連中・・・

長身の冒険者、白頭の老戦士、チンピラ風の盗賊に、場違いな子供。
暗い色のローブを被った陰気な魔法使いの姿はもう、ない。



娘   「最近、インテリさんたちの顔見ないわね」

亭主 「ん・・・そういえばそうだな。どこかでくたばったかな?」


厨房からぽつりと漏れた娘の言葉に相槌を打ち
宿の亭主はふと皿洗いの手を止めた。


確かに、もうかれこれ数年は連中の姿をみた記憶が無い。
どこかで果てたのでなければ、他所へ移っていったのだろう。

元来が風来坊とはいえ、いずれにせよ水臭い連中じゃないか。
そう胸中で呟くと亭主は我しらず酒場の隅の空いたテーブルに目をやった。


 

若い男  「ただいまー」

両開きの扉が遠慮なく開かれ、見知らぬ若い男が酒場に入ってきた。


亭主    「はて、誰だったかな」

若い男  「ひどいな親父さん。僕だよ」


皮鎧に小剣を下げ埃じみたマントという
冒険者お決まりのスタイルに身を固めた男は、
いかにも心外だ、という風に小さく肩をすくませた。
首に下げられた銀色の指輪が揺れる。


亭主    「・・・ひょっとして お前、小僧か!」


男の首に革ひもでくくられた銀色の指輪に、確かに見覚えがあった。
それを見て、ようやく亭主は彼がインテリ一行で小僧扱いされていた少年と
同一人物であることに気づいたのだ。



亭主はかって小僧であった男の口から、インテリ一行のその後の消息を聞いた。

オヤジは老齢から引退して郷里に帰り、剣術道場主に収まったそうだ。
CV古川は、盗賊ギルド幹部の娘を孕まして姿をくらまし、行方が知れず。
どこまでもマイペースな根暗は、死霊術の秘儀を求めて独り東方へ旅立ったらしい。
仲間をなくしたインテリは、それを潮に冒険者として一人立ちしたという。


若造 「・・・というわけで、みんな散りぢりさ」

亭主 「まぁ変わった連中だったからな。・・・それで、お前は何をやっているんだ?」


若造 「しばらくはオヤジさんの道場を手伝ってたんだけど
     人手は足りてるから他所へいけってさ。薄情だよね」


そう言って明るく笑う若者の表情に拗ねた様子や
かつての奴隷の暗い影は微塵もない。


亭主 「ふん、一人前の男なら自分の食い扶持くらい自分で稼げってことさ」

若造 「そう言うなら、何か仕事紹介してよ」


宿の亭主は、「そうだな・・・」と振り向いて壁の羊皮紙に目を向ける。

小僧に気づいた娘さんが歓声をあげて厨房から出てきた。

紫煙混じりの空気の不味ささえ、相も変わらずだ。



そうして、永遠亭の変わらぬ日常が再び幕を上げる。




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