リューン郊外にある平凡亭。
親しみやすい名の酒場ながら、堅気の者は近寄ろうともしない。
ここは 冒険者を自称する半端者たちの吹き溜まりなのだ。
もやし 「ゴブリン退治か。楽勝だな」
優等生 「最弱の怪物ね」
老いぼれ 「小遣い稼ぎにはなるか」
筋肉 「・・・・」
ありふれたゴブリン退治の依頼を受けて、
チームを組んだばかりの冒険者4人組は
意気揚々と近郊の森へと向かったのだった。
※
ゴブリンの巣穴に潜った冒険者たちは、
その深部で妖魔の群れと相対した。
早々に先手を打って放たれた「眠りの雲」に襲われ、
4人組は抵抗することもできず、泥人形のように倒された。
ドカッ! バキッ! ゴッ! ドガッ!
筋肉 「・・・!?」
頭部に激しい衝撃をうけて、筋肉の意識が覚醒した。
馬乗りになった妖魔を跳ね除けて起き上がり、周りを見ると、
仲間は囲まれて棒で殴られ、既に半死半生のありさまだった。
筋肉 「おい、生きてるのか」
老いぼれ 「どうにかな」
返事をできたのは、老いぼれただ一人だった。
※
どうにか妖魔を始末した筋肉と老いぼれは
気絶した2人を見てため息をついた。
老いぼれ 「仕方ない。俺が優等生を担いでいこう」
筋肉 「となると、俺はこっちか…」
担ぎ上げたもやしの体はやけに重たく、
よほど 巣で拾った邪魔な杖 を捨てていこうかとも思ったが
結局、筋肉は 杖ももやしも捨てることなく宿へと帰還したのだった。

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